趣旨判定言語IMAGES
感染症の流行や自然災害など、先の見通しが立たない出来事が起きると、人々は専門家に明確な答えを求める。専門家の発言は大きく報じられ、人々の行動を左右することもある。「大丈夫なのか」「いつ収まるのか」と問われた専門家が、断定的な言葉で答えれば、人々は一時的に安心するだろう。しかし、科学的な知見には常に不確かな部分がある。新しいデータが集まれば、それまでの見通しが修正されることは珍しくない。それは科学が誤っているからではなく、新しい事実に基づいて考えを改めることこそが科学の方法だからである。最初に断定的な説明をしていた専門家が後から見解を変えれば、人々はだまされたと感じ、専門家全体への信頼が損なわれてしまう。専門家に求められるのは、わかっていることとわかっていないことを区別し、見通しが変わりうることをあらかじめ率直に伝えることである。不確かさを隠さずに語ることこそが、長い目で見て専門家への信頼を支えるのである。
災害時の情報は、テレビよりインターネットのほうが早く伝わる。