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多くの職場では、業務の手順をまとめたマニュアルが用意されている。マニュアルがあれば、経験の浅い人でも一定の水準で仕事をこなせるし、担当者によって品質がばらつくことも防げる。新人の教育にかかる時間を短くできるという利点もある。作業の手順が書かれていれば、同じ質問に何度も答える手間が省け、教える側の負担も軽くなる。しかし、マニュアルに頼りすぎることには危うさもある。マニュアルは、あらかじめ想定された状況に対応するために作られたものであり、想定外の事態には答えを用意していない。書かれた手順を守ることだけを求められてきた人は、マニュアルにない場面に出会ったとき、自分で考えて動くことができない。顧客の求めに応じて柔軟に対応すべき場面でも、決まりだからと断ってしまうこともある。そうした対応は、顧客の信頼を損なうことにもなりかねない。マニュアルは仕事の最低限の水準を保つための道具であり、その先は一人一人が状況を見て判断する力を育てることが欠かせないのである。
マニュアルがあれば、担当者によって品質がばらつくのを防げる。