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問題 1 / 5
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科学技術が社会の隅々にまで入り込んだ今日、専門家の判断に頼らずに暮らすことはほとんど不可能である。食品の安全、医薬品の効果、建物の耐震性。私たちはそのいずれについても、自分で確かめることなく専門家の保証を受け入れている。この信頼がなければ、社会は一日たりとも回らないだろう。 ところが近年、専門家への信頼が揺らいでいるといわれる。その理由の一つは、専門家どうしの意見がしばしば食い違うことにある。ある研究者が安全だといい、別の研究者が危険だという。市民の目には、どちらを信じればよいのか分からない混乱として映る。だが、意見の対立は科学が健全に機能している証でもある。科学とは、確定した知識の集積である以前に、仮説を立てては検証し、誤りを修正していく営みだからである。 問題は、この営みの性格が社会に十分に伝わっていないことにある。多くの人は科学に白か黒かの明快な答えを期待し、専門家もまたその期待に応えようとして、不確かさを伴う知見を断定的に語ってしまう。そしてのちに見解が修正されると、人々は裏切られたと感じる。信頼の失墜は、科学の限界そのものよりも、限界を隠したことから生じるのである。 ( A )、専門家に求められるのは、何が分かっていて何が分かっていないのかを率直に示すことだ。不確かさを認めることは、一時的には頼りなく見えるかもしれない。しかし、分からないことを分からないと言える専門家の言葉こそ、長い目で見れば信頼に値する。市民の側にも、断定を求めるのではなく、不確かさを前提として判断を引き受ける成熟が求められている。専門家と市民の関係は、一方的な依存ではなく、不確かさを共有する協働へと組み替えられなければならない。

筆者は、専門家への信頼が失われる主な原因を何だと考えているか。

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